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☆厚い人情…そして私と連れのこと。



☆彡 厚い人情の中国人…そして、私と連れのこと。。。


旧正月の何日目か、連れの兄の奥さんのお父さんが、お昼の食事に招待してくれた。

お昼から、大テーブルにいっぱいの食べきれないほどの料理やビール、お酒が並び、
ここでも、皆さん親切に歓迎のおもてなしを受け、楽しいひと時を過ごした。

彼女のお母さんの兄弟は女ばかり7人で、その旦那さんやその他にも友人やら見えていて、
総勢すごく大人数での食事だった。

その何日後も、お父さん、お母さんの旧友、昔の同僚や上司を招待して食事会が開かれた。
みんな初老のおじいさん、おばあさん方である。

初老の年配の方々も皆さん、温かく接してくれたのがうれしかった。


こうして旧正月のこの間、たくさんの中国の方たちとお目にかかった。


中国人は親戚付き合い…それも、日本ではとくに独立した後には、
両方が関係している冠婚葬祭くらいしか、めったにお会いすることがないような
遠い親戚や古い昔の友人なども、めでたい席や久しぶりに集まる機会のある時など、
何かにつけて欠かさずに連絡を取り合い、招待し、酒を酌み交わし、交流を絶やさず、
何か困ったことがあると助け合っている…という感じを受けた。

今までの出会いを通して、中国の人々の幅広く深い心のつながりと人間っぽい熱い気質に
たくさん出会うことができて、私の中国の人々への印象は 大きく変わっていった。



日本の文化ともいえる伝統。。。のような、義理・人情…ではないもの。。。
日本人の"人との付きあい"の中に常識のように定着している"義理"というものではなかった。。。

日本人の"人情"とはまたすこし違う "人情"・・・ "温かい優しさ…"にいっぱい触れて、
次第に心の中が温まってくるのを私は感じていた。



旧正月が、あっという間に過ぎた。

両親の旧友、昔の同僚、お兄さんの同僚や上司。
お兄さんの奥さんの両親やその家族兄弟…

たくさんの出会いを通して、感じたこと・・・


"言葉は通じなくても気持ちは通じるものである。。。"


こちらにお世話になって、このことをすごく実感として感じることが出来た。




旧正月も終わりに近づき、私たちは日本に帰る前に、
日本へのお土産を買いに何度か街に出かけた。

当時はまだ今のような新しい感じのデパートは少なく、国営のデパートが多かった。
すこし古い感じはしたが、デパートの中は買物の人々でにぎわっていた。

さすが東北…、寒い冬を乗り切るための暖かそうな洋服がたくさん売っている。
それに安い。。。
日本ではこんな値段で買えないと思うような値段でその洋服は並んでいた。
私はお土産として父母に暖かそうな洋服を買った。

あちこち見て歩いて、とくに目を引かれたのは、
中国らしい民芸品で、大理石で作った鉢植えの置物だった。
小さいものから、大きいものまで色とりどり…
さまざまな鉢植えが展示されて売っていた。

中でも、背丈の半分以上もある大きな桃の木の鉢植えは、ツヤツヤしたピンクの桃が
たくさんなっていて、その桃がすごくおいしそうに見えて、かわいくて、
とても大理石でできているように思えず、すごく気に入って見入ってしまった。

ほしかったが、そんなに大きなのは持って帰れないので、
その場でよく見ながら記憶の中に刻みいれて、
数点いちばん小さな大理石の鉢植えの置物をお土産に買った。


北京に戻る当日、私は荷造りをしながら、これまでのことに思いを馳せていた。

温かい言葉・・・ 優しい笑顔・・・ 心づくしのもてなし・・・
みんな、みんな、私たちの為に。。。

そう思うと、心に熱いものがたぎった。

家族の皆さんと今回最後の食事になり、私は必死にこらえていた。
こらえても、こらえても、私の中に熱いものは溢れる。。。

お父さんが ひと言いった。。。 どんな言葉かは覚えていない。。。
すごく温かい優しい言葉だった。。。

私の中の熱い思いが込み上げてきて堪えきれなくなりそうになりながら、
やっと食事を終え、奥の部屋で涙を拭いた。

涙は拭いても拭いても溢れ出て、とうとう止まらなくなった。


お母さんが傍らに来て、慰めるように私に言った。

「ミンネン ライ。。。」  

なぜかこの時、中国語がわかった。。。
"来年もいらっしゃいね…"と言っていっている。。。


優しさと感動をいっぱい受けて、私の顔は涙でグチャグチャになった。
言葉にならない気持ちを心の中で叫んでいた。


優しさをありがとう。。。 温かさをありがとう。。。 感動をありがとう。。。



中国に来る前までは正直、 まだ未知の世界だった共産党の国は、
厳しい規制や堅苦しい人々を想像し、どことなく恐い国…と感じていた。

大陸に足を踏み入れ2週間あまり、私の中国に対する誤解・偏見は、
いつしか消えてなくなり、温かくて優しい熱い中国に変わっていた。


ありがとう皆さん、ありがとう中国。


この時から私は・・・

中国という国が… 中国の人々が… とっても好きになった。




最後に・・・


とうとう最後まで書きそびれてしまった、私と連れのこと。。。
もう、お分かりでしょう。。。


お世話になった連れの家族は・・・

後に、私の義父母となり、義兄となり、義姉となった。


そう。。。


連れ…とは、現在の私の夫である。
                          ( 完結 )





皆さん、私のつたない文章を最後まで読んでくれて、ありがとうございました。







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